日照・日射・日影のすべてがわかる!建築試験頻出ポイント優しくをやさしく解説

建築士や施工管理技士の試験で必ず出題される「日照・日射・日影」の問題。

「専門用語ばかりで、何が何だかわからない…」
「日射量とか天空日射って、正直ピンとこない…」

そんな方のために、本記事では太陽と建物の関係性を軸に、中学生でも理解できる言葉と図解的な解説で丁寧に説明します。建築の基礎力を底上げし、実務でも活かせる内容です。


目次

  1. 日照・日射・日影とは?基本用語をマスター
  2. 天空日射量と日照率とは?数式と図で理解
  3. 冬至と夏至で日射量はどう変わる?方位別で解説
  4. 終日日影と永久日影の違い
  5. 大気透過率が日射に与える影響
  6. ルーバーで日射をコントロールする方法
  7. 隣棟間隔の求め方と日影規制との関係
  8. 試験対策まとめ&勉強法

1. 日照・日射・日影とは?基本用語をマスター

まずは混同しがちな3つの言葉の意味を、イメージとともに整理しましょう。

用語意味ポイント
日照太陽の光が直接地表に当たっている状態「日照時間」は太陽が出ていた時間
日射太陽からの光エネルギーの量日射量(エネルギー)は方向や天候で変化
日影建物や地形で光が遮られて影になる場所冬場や高層建物で特に注意

2. 天空日射量と日照率とは?数式と図で理解

■ 天空日射量とは?

  • 晴れた日の直射日光とは違い、空全体から散らばって届く光の量です。
  • 曇りの日でも明るいのは、この天空日射のおかげ。
  • 実務では「屋上緑化」「自然採光設計」などに役立ちます。

☀️ 太陽光 = 直達日射 + 天空日射
※直達日射は太陽からまっすぐ届く光、天空日射は空全体からのやわらかい光。

■ 日照率の計算式

日照率(%)=(実際の日照時間 ÷ 可照時間)×100
  • 可照時間:その日その場所で理論上日が当たる時間
  • 例:12時間中、6時間日が当たったら日照率は50%

3. 冬至と夏至で日射量はどう変わる?方位別で解説

■ 冬至(12月22日頃)の特徴

  • 太陽が低い角度で動く
  • 南向きの壁に一番日が当たる!
方位日射量
南向き◎ 多い
東・西△ 少し
北向き✕ ほとんどなし

🌞冬は「南向き窓」が断然有利!住宅設計の基本。


■ 夏至(6月21日頃)の特徴

  • 太陽がほぼ真上に近い角度で動く
  • 東西の壁に強い日射があたる
方位日射量
東・西◎ 朝夕に強い日差し
△ 日射はあるが短時間
✕ ほとんどなし

☀️特に西日対策(午後の暑さ)は重要。ブラインドやルーバーの設置が有効です。


4. 終日日影と永久日影の違い

用語定義
終日日影ある1日中、日が当たらない場所高層ビルの北側
永久日影1年中どの日も日が当たらない場所崖の北側・谷底など

☝️試験では「夏至に終日日影=永久日影」と覚えると◎


5. 大気透過率が日射に与える影響

  • 大気透過率が高い(空気が澄んでる)
    • 直達日射が強くなる
    • 天空日射は弱くなる
  • 大気透過率が低い(曇り・PM2.5多い)
    • 直達日射が弱くなる
    • 天空日射が主役に
状況直達日射天空日射
晴天◎ 強い△ 弱い
曇り✕ 弱い◎ 強い

6. ルーバーで日射をコントロールする方法

■ ルーバーとは?

  • 窓や壁の外に設置する「すだれ」のような建材。
  • 日射を遮って室内温度上昇を防ぐ。
種類特徴遮る光
縦ルーバー縦に板が並ぶ東・西からの光(特に西日)に有効
水平ルーバー横に板が並ぶ夏の高い太陽(南面)を遮る

💡夏の冷房効率UP、冬は取り込む工夫で省エネ住宅へ。


7. 隣棟間隔の求め方と日影規制との関係

日影による周囲の建物への悪影響を防ぐため、建築物同士の距離にはルールがあります。

■ 隣棟間隔の計算式

隣棟間隔 = 前面隣棟間隔係数 × 南側建物の最高高さ
  • 前面隣棟間隔係数:地域の条例で決まっている数値(例:0.7など)
  • 高い建物ほど広い距離を確保しないといけない
計算
建物高さ10m、係数0.710m × 0.7 = 7m以上の距離が必要

8. 試験対策まとめ&勉強法

✅ 覚えるべきポイント

  • 南向きは冬に強い、東西は夏に強い日射を受ける
  • ルーバーの向き=太陽の角度を考慮
  • 日影=建物の高さと太陽の角度から計算
  • 天空日射と直達日射の違いを理解
  • 永久日影=夏至でも太陽が当たらない場所

📚 勉強法のコツ

  • 実際に太陽の動きを観察
  • 学校や自宅で影がどう伸びるか観察
  • 図面問題は、東西南北の位置を最初にチェック!
  • 過去問演習×図解のセットで記憶に定着

✍️ まとめ:日射と日影は「快適な建築」の基本

日照・日射・日影は、建物の設計や配置において快適さ・省エネ・法律遵守をすべて左右する要素です。試験対策だけでなく、現場での設計判断にも役立つ知識なので、今のうちにしっかり身につけておきましょう。

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